2016年7月27日

ノエル

弁護士 小賀坂徹です。

 

レディへ(Radiohead)の『ア・ムーン・シェイプト・プール』と一緒に、

実はノエル・ギャラガーの『チェイシング・イエスタデイ』も買っていた。

 

 こちらは昨年リリースされたアルバムだけど、相変わらずの安定感であり、聴いてて嬉しくなる。

オアシス解散後のノエルとリアム・ギャラガーの音楽活動をみるにつけ、分かりきっていたことではあったが、オアシスはノエルだったということを嫌というほど思いしらされる。

 

 オアシスはご承知のとおり、ギャラガー兄弟を中心に90年代初頭にデビューしたマンチェスター出身のバンドだが、

彼らはビートルズ、特にジョン・レノンに対するリスペクトをことある毎に口にしていた。

彼らの演奏する『アイ・アム・ザ・ウォーラス』なんかは出色である。

ボクが知らないだけかもしれないけど、イギリス(アメリカも同じ)の世界的ミュージシャンがビートルズ解散後、

ビートルズについて語ることは全くといい程ないか、逆にこき下ろすかのどちらかで、リスペクトしていることを堂々と表明するのはオアシスが初めてだったように思う。

ビートルズが余りに偉大で、同時代あるいは次世代のミュージシャンにとっては、それが克服の対象だったから、

仮にシンパシーを感じていたとしてもそれを口にすることをためらったのかもしれない。

ジョンが殺されて10年を経過して、漸くミュージシャン自身がその呪縛から解放されたのだろうか。

あるいは単純に世代的な「間隔」の問題かもしれない。

いずれにせよ、だから彼らがビートルズやジョン・レノンについて、いちファンとして語ることはとても新鮮で、嬉しかった。

そして、そのサウンドも初期のビートルズのようにロックの「開放感」を体現していて、心躍る感覚にさせてくれた。

 

 オアシスは偉大なバンドとしてその地位を揺るがないものにしていたが

(特に日本のファンが多かったように思う。彼らの曲が何曲も日本の企業のCMに採用されていたことからもそれは明らかである)、

相も変わらずくり返される壮絶な兄弟喧嘩の果てに解散に至った。

冒頭書いたようにノエルがオアシスをきちんと引き継いでいることはありがたいが、

リアムの歌声やスタイルも捨てがたいボクとしては、もう一度2人が揃って演奏しているところを見てみたい欲求は捨てられない。

でも当分は無理そうだ。

 

 レディへといいノエルといい、おっさんも頑張っているのである。