2016年08月
2016年8月23日

声の力

弁護士 小賀坂徹です。

 

8月21日の夕方、三ツ沢スタジアムで開催されたJ2リーグ横浜FC vs.清水エスパルスの試合を観戦した。

もちろん我が心の支え、エスパルスの応援のためである。

J2降格という屈辱を晴らすため、1シーズンでのJ1復帰がエスパルスの絶対的な至上命題であるが、

その視界は必ずしも良好とはいえず、正直毎週やきもきしながらの一喜一憂が続いている。

前週の愛媛戦もエース・テセの2得点で相手を2度突き放しながらも、その都度追いつかれて引き分けに終わっている(泣)。

 

対する横浜FCは、一時の不調から脱し、ここまで4連勝、しかも7戦負けなしと絶好調できているので、

ホームにエスパルスを迎えた闘いは、いやが上にも盛り上がっていることであろうとの思いでスタジアムに足を踏み入れた。

 

しかしその瞬間、目を疑う光景が繰り広げられていた。

スタジアムがエスパルスのホームゲームの様相だったのだ。

大袈裟に言っているのではまったくない。論より証拠、両チームのゴール裏の写真をみていただきたい。

 

 

(ホーム:横浜FC側)

横浜FC

 

(アウェイ:清水エスパルス側)エスパルス

 

 

くり返すが、これは横浜FCのホームゲームであり、エスパルスはアウェイチームである。

しかし、どうみてもエスパルスのホームにしかみえないではないか。

メインスタンド、バックスタンドとも同様で、明らかにエスパルスサポーターの数が完全に上回っていた。

確かに東京・神奈川にもエスパルスのサポーターは多い(静岡出身者のサッカー愛はどこよりも深いのだ)が、多くは静岡から駆けつけたサポーターであろう。

隣県とはいえ、リーグ戦の1試合にこれだけのサポーターが大挙して押し寄せている光景は、掛け値なしに鳥肌ものだった。

感動した。

 

それにもまして心を動かされたのは彼らの『声』である。

もちろん、大人数でのコールに迫力あるのは当然なのだが、それ以上の『力』を感じた。

明らかに彼らは『本気の声』を出していた。

猛暑の中、連戦で闘っている選手たちを励まし奮い立たせようという気持ちは

、その本気の声とともにスタンドの真ん中にいたボクにもすぐに伝わってきた。

そして、それはキックオフ前から、ゲームが終了するまでずっと続いていたのだ。

これには本当に感動した。文字通り胸が熱くなった。

 

スタンドで観戦しているだけでもこんなに感動するのだから、ピッチで闘っている選手たちはどれほど勇気づけられただろうか。

これは物理的な『力』といっても過言ではないと感じた。

選手たちは間違いなく真剣にファイトしていたし、懸命に走っていた。

気持ちのこもったプレーを続けていた。

彼らの声に後押しされ、エスパルスは絶好調の横浜FCを完全に封じきり、2-0というこの上ない快勝だった。

J1への視界が完全に開けたことを感じさせる勝利だった。

 

このように人々の励ましの中で、より力を発揮するのはアスリートに限ったことではない。

ボクたちは、辛い毎日の中で、仲間の励ましや気遣いにどれほど支えられ、後押しされているだろうか。

人はお互いに励まし合い、助け合う『力』を備えている。

そして、その励ましを待っている人はたくさんいるのだ。

福島原発の被害にあって、長期の過酷な避難生活を続けている皆さんはまさにその典型だろう。

そして人を励ますことは、自らを励ますことと重なる。情けは人のためならず、であったりもする。

周りをよく見渡し、多くの人と共感し、共存していくこと、このことの大切さをエスパルスサポーターの皆さんに改めて教えられた気がする。

それほど感動的だった。

 

それにしても試合後のビールのうまかったこと。やっぱり応えられない。

 

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