2015年7月13日

 

弁護士の石畑です。

 

私が,入所当時(さらにいえば修習生の時から)から取り組んできた

日産自動車期間工・派遣切り事件弁護団が平成27年7月2日,

裁判所の不当な訴訟指揮により終結しました(詳細は声明文をご確認ください)。

 

派遣法の改悪が進んでいるこの情勢の中で,国民の最後の拠り所とされている

裁判所のこのような不当な訴訟指揮は許すことはできません。

 

これからも一弁護団員として,最後まで諦めずに戦い抜きます。

 

以下,声明文です。

 

 

東京高裁第12民事部による理由なき証人不採用と一方的な判決日指定に抗議する声明

 

2015年7月2日、東京高等裁判所12民事部(杉原則彦裁判長、以下「東京高裁12民」といいます)は、

日産自動車ら外3名を被控訴人とする派遣切り・期間工雇止め事件において、

控訴人らの証人調べ請求を何ら理由も付さずに却下し、

その後直ちに当事者や代理人らの日程を確認することもなく、

一方的に判決日を同年9月10日11時と指定して、法廷を立ち去った。

 

本件は、リーマンショック後の2009年、日産自動車及びその子会社である日産車体が、

派遣社員や有期雇用社員(期間工)を一斉解雇した事件である。

控訴人らはいずれも、長期間にわたり低賃金かつ不安定な立場で、

日産自動車や日産車体において常用として正社員同様の業務を担わされてきたあげく、

リーマンショックを口実に雇止めされ、文字通り路頭に迷うこととなった。

本件は、年越し派遣村という社会問題にまで発展した大量派遣切りの事件の一つであり、

社会的関心も高く、東京高裁のもっとも大きな法廷が満員になる傍聴券事件であり、

7月2日当日も、101号法廷は満員の傍聴人で埋まっていた。

 

日産自動車や日産車体は、判決を左右する重要な争点について、

何ら証拠も示さず原審での主張を翻し、控訴審で新しい主張をするに至っていた。

かかる状況からすれば、日産自動車や日産車体の新たな主張に理由がないことを裏付けるためにも、

証人採用は認められるべきであり、これを理由も付さずに却下した東京高裁12民の態度は極めて不当である。

 

そもそも東京高裁12民は本件の審理において、当事者らの進行協議や面会の申し出も拒絶し続け、

また、弁論期日でも当事者らに争点の釈明を求めるなどの訴訟指揮を一切行ってこなかった。

事案の真相を解明する意識が全くないのではないかと疑わざるを得ないし、

仮にこのまま安易に控訴棄却の判決が下りるようであれば、完全な審理不尽の違法である。

 

また、本件のように社会的関心の高い事件について、

これまで何年も裁判でたたかってきた控訴人や、その訴訟代理人らが在廷する中、

判決日に出廷できるかを確認することなく、判決日を宣言して立ち去ったことは極めて不当である。

この点、代理人は本期日終了直後から、判決日の調整を求めているが、

にも関わらず東京高裁12民は現時点でもその調整すらも拒絶し続けている。

かかる東京高裁12民の態度は、国民の裁判を受ける権利をないがしろにする暴挙というべきである。

 

我々は、かかる東京高裁12民の行為に厳重に抗議する。

また、証人の証拠調べと最終準備書面の提出のため、直ちに弁論を再開するよう求める。

 

                                         平成27年7月8日

                           日産自動車期間工・派遣切り事件弁護団

 

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