2015年04月

 

弁護士 竹中由重です。

 

先日、約2年ぶりに映画を観ました。

以前、このブログで、『きっと、うまくいく』というコメディ映画を紹介したことがありましたが、

たしかそれ以来です。

 

タイトルは、『あの日の声を探して』。

 

もともと、ヴィン・ディーゼル主演の『ワイルドスピード』でも観ようと思って出かけたのですが、

時間が合わず、こちらを選択。

しかし、時間が合わなくてよかった。

 

ストーリーは、1999年当時のチェチェン紛争を舞台として、

ロシア軍兵士に両親を殺された9歳の少年ハジの物語と、

ロシア軍に強制入隊させられた青年コーリャの物語がそれぞれ進んでいきます。

 

ハジは、目の前で両親を銃殺され、そのショックで声を失い、

瓦礫と化した街で独り路上生活を送っていたところ、

偶々、フランスから調査に来たEU職員のキャロルに保護されます。

キャロルは、EUの人権委員会に所属していましたが、

委員会は空席が目立ち、出席委員の多くもキャロルの訴えには関心を示さないなど、

チェチェンの惨状を前に何もできない自分に無力感を抱いていました。

しかし、そんなときに目の前で苦しむハジを見て、彼を救いたいという思いを強くしていきます。

 

他方、コーリャはロシア軍に入隊後、徐々に様子が変わっていきます。

当初、死体安置所に次々と運ばれる戦死体に強い抵抗を示し、

上官からの理不尽な暴力にも静かに反発していたのに、

次第に戦死体の扱いに慣れ、自身も同僚に激しい暴力を振るうようになり、

終いには人を殺し、子供や老人を殺すことにも違和感を抱かなくなっていきます。

 

戦争の悲惨さ、残忍さ、異常さを、あらためて痛感させられました。

 

映画を観終わった後、買い物客らで賑わう街中を駅まで歩きましたが、

その無邪気な景色とチェチェンのそれとの余りのギャップの激しさに、

なんとも言い難い感覚に襲われました。

 

チェチェン紛争は、2009年にロシアの終結宣言があったものの、その後も治安が安定していない。

また近年はウクライナでも似たような状況が生じている。

そのほか、アフガニスタンでも、イラクでも、シリアでも…。

 

これらの解決は容易ではないけれど、人々の無関心が状況を更に悪化させている。

 

まずは事実を知ることが大事。

そう思いました(自戒の念を込めて)。

 

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