2012年02月

弁護士 城田 孝子です。

 

一昨日、横浜地裁第6民事部は、横浜市鶴見区のマンション住民が起こした訴訟において、設計者と検査機関に対し、請求額とほぼ同じ14億円超の賠償を命じる判決を言い渡しました。補修ではなく取壊し・建替えを認めるもので、極めて画期的な内容です。

 

既に各種メディアで報道されていますが、本件は一連の耐震偽装事件とは異なります。耐震不足を隠すよう偽装がされたわけでも何でもなく、構造設計の基本ともいうべき単純なミスがあったのに、設計者も確認検査機関もこれを見落としたのです。

 

しかし、両者の訴訟態度からは、およそ誠意といったものは感じられませんでした。

意匠を専門とし、構造計算を下請に出している設計者は「構造は専門的だから自分には分からない。だから責任はない」、検査機関も「限られた時間の中で検査するのだから、構造計算の過程まで立ち入ってチェックする必要はない」

 

これでは何のための建築確認制度だか分かりません。本件で実際に構造計算を担当していたのは、建築士の資格を持たない人物でした。

 

 そんなことを知る由もなく、原告の皆さんは一大決心で購入した夢のマイホームで穏やかな生活を送っていました。それが平成17年11月の問題発覚で一転、既に6年以上が経過しています。

 

 報道によれば、検査機関は既に控訴の意向を固めているとのこと。極めて残念です。

絶対に結果が覆されるようなことがあってはなりません。

 

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