弁護士 城田 孝子です。
一昨日、横浜地裁第6民事部は、横浜市鶴見区のマンション住民が起こした訴訟において、設計者と検査機関に対し、請求額とほぼ同じ14億円超の賠償を命じる判決を言い渡しました。補修ではなく取壊し・建替えを認めるもので、極めて画期的な内容です。
既に各種メディアで報道されていますが、本件は一連の耐震偽装事件とは異なります。耐震不足を隠すよう偽装がされたわけでも何でもなく、構造設計の基本ともいうべき単純なミスがあったのに、設計者も確認検査機関もこれを見落としたのです。
しかし、両者の訴訟態度からは、およそ誠意といったものは感じられませんでした。
意匠を専門とし、構造計算を下請に出している設計者は「構造は専門的だから自分には分からない。だから責任はない」、検査機関も「限られた時間の中で検査するのだから、構造計算の過程まで立ち入ってチェックする必要はない」
これでは何のための建築確認制度だか分かりません。本件で実際に構造計算を担当していたのは、建築士の資格を持たない人物でした。
そんなことを知る由もなく、原告の皆さんは一大決心で購入した夢のマイホームで穏やかな生活を送っていました。それが平成17年11月の問題発覚で一転、既に6年以上が経過しています。
報道によれば、検査機関は既に控訴の意向を固めているとのこと。極めて残念です。
絶対に結果が覆されるようなことがあってはなりません。
弁護士 黒澤知弘です。
福島原発による被害者を支援するかながわ弁護団(仮称)のご案内です。
福島原発事故により、主に神奈川県内に避難している被害者が被った被害について、東京電力株式会社に対して、損害の完全賠償を要求し、被害者に寄り添いながら、その実現のために努力するため、趣旨に賛同する横浜弁護士会会員が「福島原発による被害者を支援するかながわ弁護団(仮称)」を結成しました。
弁護団においては、相談及び依頼を希望される被害者の方に担当弁護士を紹介するとともに、東京電力に対する請求、交渉、紛争解決センターに対する和解仲介申立、訴訟等の手続についての具体的な支援を行っていきます。
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連絡担当弁護士 黒澤 知弘(横浜弁護士会所属)